本記事は数学の徹底解説シリーズに含まれます。
初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。
目次
余因子行列を用いた逆行列の表現
$A$を正則な$n$次元正方行列とすれば,その逆行列は
\begin{align}
A^{-1} &= \frac{\tilde{A}}{\det (A)} \label{主題}
\end{align}
A^{-1} &= \frac{\tilde{A}}{\det (A)} \label{主題}
\end{align}
と表される。ただし,$\tilde{A}$は$A$の余因子行列を表す。
余因子行列のうまみを味わえる定理です。
証明
余因子行列の性質より,以下が成り立ちます。
\begin{align}
A\frac{\tilde{A}}{\det (A)} &= I_{n} \\[0.7em]
\frac{\tilde{A}}{\det (A)}A &= I_{n} \\[0.7em]
\end{align}
A\frac{\tilde{A}}{\det (A)} &= I_{n} \\[0.7em]
\frac{\tilde{A}}{\det (A)}A &= I_{n} \\[0.7em]
\end{align}
ただし,$I_{n}$は$n$次元単位行列を表します。したがって,逆行列の定義より式($\ref{主題}$)が成り立ちます。
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