【日商簿記】簿記3級直前見直しポイント

本稿では日商簿記3級で必要とされる知識のうち見直すべきポイントをまとめます。

目次

第1問

商品6,000円を仕入れて代金を掛けとした。当社負担の引取運賃100円を現金で支払った。
借方科目金額貸方科目金額
仕入6,100買掛金6,000
現金100

「仕入れる側」の場合は送料等も仕入れ額に含める点がポイント。借方にも貸方にも送料の勘定科目は登場しない。

税抜商品6,000円を税率10%で仕入れて代金を掛けとした。
借方科目金額貸方科目金額
仕入6,000買掛金6,100
仮払消費税100

消費税を払った場合は仮払消費税として処理。配送料と混同しないように注意。

決算日に当座預金の残高は50円の貸方残高である。
借方科目金額貸方科目金額
当座預金50当座借越50
小口現金係は郵便切手代とお茶菓子代を小口現金で支払った

仕訳なし

商品4,000円を掛けで仕入れて先方負担の引取費用100円は現金で支払った
借方科目金額貸方科目金額
仕入4,000買掛金4,000
立替金100現金100
従業員立替金とは「従業員が払うべきお金を立て替える」か「従業員が何かしらを立て替える」のどちらか

従業員が払うべきお金を立て替える

給料8,000円から源泉徴収税額800円を差し引いて現金で支払った
借方科目金額貸方科目金額
給料8,000預金800
現金7,200
決算日において郵便切手100円分と収入印紙150円分が残っている
借方科目金額貸方科目金額
貯蔵品250通品費100
租税公課150
郵便切手100円分と収入印紙150円分が残った状態で翌期首を迎えた
借方科目金額貸方科目金額
通品費100貯蔵品250
租税公課150
売掛金100,000円が貸倒れ。60,000円は前期の売上にかかり,貸倒し引当金は150,000円。
借方科目金額貸方科目金額
貸倒引当金60,000売掛金100,000
貸倒損失40,000

貸倒引当金は前期発生分の貸倒にしか充当できない。

備品を1,000円で掛けで購入し,引取費用100円は現金で支払った
借方科目金額貸方科目金額
備品1,100未払金1,000
現金100
取得原価360円(x1年4月1日),耐用年数6年の備品を100円で売却して現金受取(x4年3月31日)。
借方科目金額貸方科目金額
現金100備品360
備品減価償却累計額120
減価償却費60
固定資産売却損80

減価償却費を前期までの備品減価償却累計額と今期の減価償却費に分ける点がポイント。

法人税(仮払600円・確定1,000円)を中間報告・決算・確定申告と処理せよ
中間報告
借方科目金額貸方科目金額
仮払法人税等600当座預金600
決算
借方科目金額貸方科目金額
法人税1,000仮払法人税600
未払法人税400
確定申告
借方科目金額貸方科目金額
未払法人税400当座預金400
仕入1,000円・売上5,000円の消費税を10%で現金処理せよ
仕入
借方科目金額貸方科目金額
仕入1,000現金1,100
仮払消費税100
売上
借方科目金額貸方科目金額
現金5,500売上5,000
仮受消費税500
決算
借方科目金額貸方科目金額
仮受消費税500仮払消費税100
未払消費税400
納付
借方科目金額貸方科目金額
未払消費税400現金400
総勘定元帳で相手科目が複数の場合

「諸口」を利用する。自分科目が複数の場合は「相手科目の名前で自分科目分の金額をつける」と対比して覚える。

貸倒引当金と貸倒引当金繰入の分類を述べよ
  • 貸倒引当金:資産のマイナス(設定する場合は右)
  • 貸倒引当金繰入:費用
売掛金が貸し倒れた。どのような処理をするか。
  • 当期に発生した売掛金が貸し倒れた場合:全額貸倒損失で処理
  • 前期以前に発生した売掛金が貸し倒れた場合:貸倒引当金で賄い,超える分は貸倒損失で処理
前期に貸倒れとして処理していた売掛金が回収された場合,どのような勘定科目が用いられるか。

償却債権取立益

土地を購入した際の不動産会社への手数料はどの勘定科目を利用するか

土地の購入金額にマージする。固定資産の購入時は取得原価に費用は含める。

ソファーを購入した際の据付費用と送料はそれぞれどの勘定科目を利用するか

備品の購入金額にマージする。固定資産の購入時は取得原価に費用は含める。

送料込み商品51,000円の売上を掛けとし,同時に送料1,000円は後日支払うことにした
借方科目金額貸方科目金額
売掛金51,000売上51,000
発送費1,000未払金1,000

発送費を未払金として処理する点がポイント。

20,000円をICカードにチャージして12,000円の交通費を報告された
借方科目金額貸方科目金額
旅費交通費12,000仮払金12,000
商品を注文して手付金として50,000円を小切手で振り出す
借方科目金額貸方科目金額
前払金50,000当座預金50,000
社会保険料の従業員負担分を4〜6月は給料から天引きしているときの勘定科目

借方に社会保険料預り金

商品150円を送料10円込みで販売し,代金は掛とした。送料10円は現金で支払った。
借方科目金額貸方科目金額
売掛金160売上160
発送費10現金10

売掛金が送料10円分かさ増しされている点に注意。

商品150円を販売し,代金は掛とした。送料10円は当社で負担し,現金で支払った。
借方科目金額貸方科目金額
売掛金150売上150
発送費10現金10
預金を一言で説明せよ

あとで国に納めなければならない嫌なやつ(負債)

第2問

取引の発生順に記録する補助簿と特定の勘定科目や事柄の内訳を記録する補助簿の名称をそれぞれ答えよ
  • 取引の発生順に記録する補助簿:補助記入帳
  • 特定の勘定科目や事柄の内訳を記録する補助簿:補助元帳
売掛金を記帳する補助簿の名前は何か

得意先元帳(売掛金元帳)

買掛金を記帳する補助簿の名前は何か

仕入先元帳(買掛金元帳)

総勘定元帳へ正しく転記されているかどうかを確認するために作成する表は何か

試算表

第3問

保険料は毎期8月と2月に向こう半年分を支払っている。今期末の保険料は借方165,600である。

2月に支払う保険料は来期の4ヶ月分を前払いしている。ということは昨期からも4ヶ月分繰り越している。今期末の保険料165,600は16ヶ月分の保険料の合計であるから,このうち4ヶ月分を時期に繰り越さなければならない。

(時期の繰越4ヶ月分)/{(昨期からの繰越4ヶ月分)+(今期の支払分12ヶ月分)}

これを計算すると,

165,600 * 4/16 = 41,400

となる。

借方科目金額貸方科目金額
前払保険料41,400保険料41,400
減価償却累計額は損益計算書と貸借対照表のどちらに記入するか

貸借対照表。資産のマイナスを表す勘定科目と理解する。

当期純利益はどのように求めるか

利益 - 売上

前払い家賃は借方と貸方どちらか

借方

決算日に手数料の未収分が226,800円ある
借方科目金額貸方科目金額
未収手数料226,800受取手数料226,800

未収手数料は既存の受取手数料をどうにかするのではなくシンプルに未収分を加算する。

決算日に法定福利費の未収分が169,560円ある
借方科目金額貸方科目金額
法定福利費169,560未払法定福利費169,560

既存の法定福利費をどうにかするのではなくシンプルに未収分を加算する。

引っかかりポイント

第三問の金額の絶対値

左側に表示されている決算生理前残高試算表の値を足すことを忘れないように

当期純利益の扱い

繰越利益剰余金に足していく

第三問の心構え

絶対に全て仕訳を書いて,それぞれの仕訳が損益計算書と賃借対照表に反映されているかチェックマークを付けて考えるべき。例えば売掛金の仕訳ミスがあった場合に,売掛金と受取手形の合計額に対して貸倒引当金を設定する場合に額が異なってしまう。

消費税と仕入の関係

消費税は仕入に含めず仮払消費税として処理する

消費税と売上の関係

消費税は売上に含めず仮受消費税として処理する

費用の前払いで分母が12にならないパターン

「毎年」XX月に向こう1年の費用を支払っている場合。当期のみの支払いであれば分母は12。毎年払っているから昨期からの繰越分を分母で考慮する。毎年7月に支払っている場合は3/15が前払い費用となる。

シェアはこちらからお願いします!
目次