【数検1級対策】ねじれの位置にある2直線の最短距離

本記事では,数学検定1級で頻出のトピックについてまとめていきます。

初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。

目次

ねじれの位置にある$2$直線の最短距離

ねじれの位置にある$2$直線

  • 直線$l_{1}$:点$A$を通り$\va$に平行
  • 直線$l_{2}$:点$B$を通り$\vb$に平行

に対し,直線$AB$の方向ベクトルを$\vv$とおくと,$l_{1}$と$l_{2}$の最短距離$d$は

\begin{align}
d &= \frac{|\vv\cdot(\va\times\vb)|}{|\va\times\vb|}
\end{align}

で求められる。

外積と正射影を問う良質なトピックです。ねじれの位置は最近京大や阪大の入試で出題されて話題になりました。

証明

$l_{1}$と$l_{2}$の最短距離は共通垂線の長さになります。共通垂線の方向ベクトルは外積となるため,$\va\times\vb$上への$\vv$の正射影の長さが$l_{1}$と$l_{2}$の最短距離$d$となります。ゆえに,$d$は次のように計算できます。

\begin{align}
d &= \frac{|\vv\cdot(\va\times\vb)|}{|\va\times\vb|}
\end{align}

例題

ねじれの位置にある$2$直線

  • 直線$l_{1}$:点$A(1,0,-1)$を通り$\va=(2,-1,1)$に平行
  • 直線$l_{2}$:点$B(0,2,1)$を通り$\vb=(1,1,2)$に平行

に対し,$l_{1}$と$l_{2}$の最短距離$d$を求めよ。

先に$\va\times\vb$を計算すると,

\begin{align}
\va\times\vb &= \left(
\begin{vmatrix}
-1&1\\
1&2
\end{vmatrix},
\begin{vmatrix}
1&2\\
2&1
\end{vmatrix},
\begin{vmatrix}
2&-1\\
1&1
\end{vmatrix}
\right)
= (-3,-3,3)
\end{align}

となります。ゆえに,上で証明した性質と正射影の長さより,

\begin{align}
d &= \frac{|\vv\cdot(\va\times\vb)|}{|\va\times\vb|}
= \frac{|(1,-2,-2)\cdot(-3,-3,3)|}{|(-3,-3,3)|}
= \frac{3}{3\sqrt{3}} = \frac{\sqrt{3}}{3}
\end{align}

と求められます。

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