【数検1級対策】注意するべき行列式の性質

本記事では,数学検定1級で頻出の注意するべき行列式の性質についてまとめていきます。

初学者の分かりやすさを優先するため,多少正確でない表現が混在することがあります。もし致命的な間違いがあればご指摘いただけると助かります。

目次

注意するべき行列式の性質

  1. 転置しても値は不変
  2. 行または列を入れ替えると値は$(-1)$倍になる(交代性)
  3. $2$つの行または列が比例していると値は$0$になる
  4. ある行または列が$2$つのベクトルの和のとき,値はそれぞれのベクトルを行または列とする$2$つの行列式の和になる(多重共線性)

$(-1)$倍になる交換操作だけ「例外」として覚えておきましょう。

具体例

下記の行列式を求めよ。

\begin{align}
\begin{vmatrix}
2a + 5b & b & a\\
2b + 5c & c & b\\
2c + 5a & a & c
\end{vmatrix}
\end{align}

解答

\begin{align}
\begin{vmatrix}
2a + 5b & b & a\\
2b + 5c & c & b\\
2c + 5a & a & c
\end{vmatrix}
&=
\begin{vmatrix}
2a & b & a\\
2b & c & b\\
2c & a & c
\end{vmatrix}
+
\begin{vmatrix}
5b & b & a\\
5c & c & b\\
5a & a & c
\end{vmatrix}
= 0 + 0
\end{align}

ただし,行列式で$2$つの行または列が比例しているときは行列式の値は$0$になることを利用しました。

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