【これなら分かる!】チェビシェフの不等式の証明

zuka

こんにちは。
zuka(@beginaid)です。

本記事は「これなら分かる!はじめての数理統計学」シリーズに含まれます。

内容は統計検定1級に準拠しています。もし不適切な内容や誤植があれば,記事下のコメント欄もしくはお問い合わせフォームよりご連絡いただけますと幸いです。

目次

チェビシェフの不等式

任意の確率変数$Z$と正の実数$\varepsilon$に対して

\begin{align}
P\left\{ |Z – E[Z]| \geq \varepsilon \right\} \leq \frac{V[Z]}{\varepsilon^2}
\end{align}

証明

証明は腰を抜かしてしまうほど簡単です。以下の方法を一度試してしまえば,チェビシェフの不等式は「なんだ。ほとんど自明やんけ!」となるはずです。

さて,証明に移ります。$Z$を連続型確率変数とします。離散型の場合も証明は同様にして行えます。$|Z – E[Z]| \geq \varepsilon$が成立していれば$1$,成立していなければ$0$を与える関数を$G(Z, \varepsilon)$と書きます。このとき

\begin{align}
\varepsilon^2 G(Z, \varepsilon) \leq |Z – E[Z]|^2 G(Z, \varepsilon)
\end{align}

が成り立ちます。これは,$\varepsilon$が$\varepsilon \leq |Z – E[Z]|$のときには$G(Z, \varepsilon)=1$となることと,$\varepsilon > |Z – E[Z]|$のときには$G(Z, \varepsilon)=0$になることから導かれます。さらに,$G(Z, \varepsilon)\geq 1$であることから,

\begin{align}
|Z – E[Z]|^2 G(Z, \varepsilon) \leq |Z – E[Z]|^2
\end{align}

が成り立ちます。ゆえに

\begin{align}
\varepsilon^2 G(Z, \varepsilon) \leq |Z – E[Z]|^2
\end{align}

が成り立ちます。$\varepsilon \leq |Z – E[Z]|$を満たす$Z$の領域を$A$,$\varepsilon > |Z – E[Z]|$を満たす$Z$の領域を$B$とおくと,両辺の期待をとることで

\begin{align}
&\quad E[\varepsilon^2 G(Z, \varepsilon)] \leq E[|Z – E[Z]|^2]\\[0.7em]
&\Leftrightarrow \int_{A} \varepsilon^2 G(Z, \varepsilon) P(A)dZ +
\int_{B} \varepsilon^2 G(Z, \varepsilon) P(B)dZ \leq V[Z]\\[0.7em]
&\Leftrightarrow \int_{A} \varepsilon^2 G(Z, \varepsilon) P(A)dZ \leq V[Z]\quad (\because Z \in B \Rightarrow G(Z, \varepsilon)=0)\\[0.7em]
&\Leftrightarrow \varepsilon^2 P(A) \leq V[Z]\\[0.7em]
&\Leftrightarrow P(\varepsilon \leq |Z – E[Z]|) \leq \frac{V[Z]}{\varepsilon^2 }
\end{align}

となり,チェビシェフの不等式が示されました。

シェアはこちらからお願いします!
URLをコピーする
URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次
閉じる