【過去問解答】数検1級公式問題集[第5回1次統計]

zuka

こんにちは。
zuka(@beginaid)です。

本記事は「これなら分かる!はじめての数理統計学」シリーズに含まれます。

もし不適切な内容があれば,記事下のコメント欄又はお問い合わせフォームよりご連絡下さい。

問題

数学検定1級の公式テキストからの出題になります。数学検定の問題の著作権は日本数学検定協会に帰属していますので,本書にて記載することはできません。公式の過去問題集をご購入いただきますようお願いしております。

解答

まず最初にポアソン分布の関数形について復習しておきます。分布表に記載があればよいのですが,パラメータが何を指しているのかを理解できないと,ポアソン分布表を上手く活用できません。ポアソン分布の関数形を覚えてしまっている人は安心ですが,覚えきれていない人も少なくないと思います。そのような場合は,ぜひポアソン分布の導出を追ってみてください。そこまで難しくありません。たった数行で完結してしまう式変形ですので,毎回ポアソン分布を導出するというのも手だと思います。

一方で,自分は「丸暗記」と「毎回導出」をハイブリットしています。ポアソン分布は二項分布において$\mu = np$を一定に保ちながら$n \rightarrow \infty$とすることで導かれることを理解していれば,二項分布の形がポアソン分布の形に見えてくるようになります。二項分布を書き下すと以下のようになります。

\begin{align}
f(x) &= \frac{n!}{x!(n – x)!} \left( \frac{\lambda}{n} \right) \left( 1 – \frac{\lambda}{n} \right)^{n – x}
\end{align}

このうち,$n$に関係ない項である$x!$と$\lambda^x$はそのまま残り,それ以外は$e$の定義に吸収されると理解してしまえばよいのです。ただし,一点注意で,$e$の指数は$\lambda$になるように調整され,符号は$(1 – p)$の名残で負になることをおさえておく必要があります。以上をまとめると,ポアソン分布の確率密度関数$g$は以下のようになります。

\begin{align}
g(x, \lambda) &= \frac{\lambda^x}{x!} e^{-\lambda}
\end{align}

さて,問題に移りましょう。Aさんに1時間に4件以上のLINEが送られてくる確率は,

\begin{align}
P(X \geq 4) &= 1 – P(X \leq 3) \\[0.7em]
&= 1 – \left\{ g(0, 3.5) + g(1 , 3.5 ) + g(2 , 3.5 ) + g(3 , 3.5 ) \right\} \\[0.7em]
&= 1 – \left( 0.0302 + 0.1057 + 0.1850 + 0.2158 \right) \\[0.7em]
&= 0.4633 \approx 0.46
\end{align}

このように,ポアソン分布の計算では余事象を利用するのが定番になっていますので,ぜひおさえておきましょう。

AさんとBさんに送られてくるLINEの件数の合計は,ポアソン分布の再生性を利用します。ポアソン分布に独立に従う2つの確率変数を足した確率変数もまた,ポアソン分布に従うという性質です。これより,AさんとBさんが1時間に送られてくるLINEの合計件数を確率変数$Y$とおくと,平均は$3.5+2.5=6.0$件になります。

\begin{align}
Y \sim \mathrm{Po}(6.0)
\end{align}

したがって,合わせて$4$件以上のLINEが送られてくる確率は以下の通りです。

\begin{align}
P(Y \geq 4) &= 1 – P(Y \leq 3) \\[0.7em]
&= 1 – \left\{ g(0, 6) + g(1 , 6) + g(2 , 6) + g(3 , 6) \right\} \\[0.7em]
&= 1 – \left( 0.0025 + 0.0149 + 0.0446 + 0.0892 \right) \\[0.7em]
&= 0.8488 \approx 0.85
\end{align}

シェアはこちらからお願いします!
URLをコピーする
URLをコピーしました!

コメント

コメントする